新潟出身の作家・長月天音さんの作品が「徳間文庫大賞2026」を受賞しました!

受賞作は、2025年12月に刊行された『信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店』。長野県の善光寺門前にある小さなお店を舞台に、大切なものを失った人たちの未来を描いた物語です。

徳間文庫大賞は、目利きの書店員が“いまもっとも売りたい徳間文庫”を選ぶ賞。今年は対象期間に刊行された85作品の中から選ばれました。

善光寺門前の小さなお店を舞台にした物語

『信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店』の舞台は、善光寺の参道を外れた路地裏にある「おやすみ処にしさわ商店」。物語は、亡き妻との約束を果たすため善光寺を訪れた弘和が、参拝後に同店へ立ち寄るところから始まります。

そこで注文したのは、妻が好きだったアップルパイ。そのおいしさを自分だけが味わうことに申し訳なさを感じる弘和に、店主がかけた言葉とは――。

全5話で構成され、さまざまな喪失を抱えた人たちが店を訪れ、新たな一歩を踏み出していく姿が描かれます。

著者は新潟県出身の長月天音さん

著者の長月天音さんは、1977年新潟県生まれ。2018年に『ほどなく、お別れです』で第19回小学館文庫小説賞を受賞しデビューしました。その後、「ほどなく、お別れです」シリーズをはじめ、「キッチン常夜灯」「神楽坂スパイス・ボックス」「銀座ちぐさ百貨店」など、数々の作品を発表しています。

今回の受賞に長月さんは、喪失をテーマにしながらも「悲しいお話にはしない」と決めて執筆したことを明かし、作品を通して自身も多くのありがたい縁を感じられたとコメントしました。

受賞作は2026年11月頃から受賞記念帯に巻き替え、全国の書店で展開される予定です。

新潟出身の作家が手がけ、書店員から“いまもっとも売りたい一冊”として選ばれた物語。秋の読書のおともに、手に取ってみてはいかがでしょうか。

コメント全文

長月天音さん
喪失がテーマの物語でしたが、悲しいお話にはしないと決めていました。登場人物たちが導かれるように訪れた善光寺。この作品を通じて、私も多くのありがたいご縁を感じることができました。作中の信州のごちそうとともにお楽しみいただけましたら幸いです。素晴らしい賞をいただき、どうもありがとうございました。

選評委員コメント
第一話で早くも目頭が熱くなってしまった。店に置かれたノートに綴られた客たちの言葉と想い。それらが直接面識のないひとびとに読まれることで生まれる気付きや新たな縁は、言葉と活字の力を信じ、本を通じて広く読まれ、伝わることを願う人にはよりいっそう響くのではないか。(ときわ書房本店 宇田川拓也さん)

『にしさわ商店』には心をギュッと鷲掴みにされます。皆何かを抱えて生きているんだなと。でも美味しい料理をいただくと皆少しずつ笑顔になります。温かい物語をぜひ。(八重洲ブックセンター京急百貨店上大岡店 狩野大樹さん)

書籍情報

『信州善光寺門前 おやすみ処にしさわ商店』
著者:長月天音
定価:858円(税込)
判型:文庫判
ページ数:304ページ
刊行:2025年12月

おすすめ記事